診療所便り 令和8年2月
スマホにマイナンバーの情報を入れて、受診に利用できるようになりつつあります。細かい情報をスマホに入れて盗まれでもしたら大変じゃないかと思いますが、政府はそれを推奨しています。危険性に関してどう考えているのかは分かりません。
スマホは落としたり盗まれたり、利用の際に情報を盗まれたり、様々な危険性を有します。 危機管理の意味で、携行する情報の内容は慎重に考えたほうが良いと思いますが・・・
高容量インフルエンザワクチン
高容量インフルエンザワクチンが開発されています。今後は接種が拡まるかもしれません。
濃度(含まれる抗原の量)は従来品の4倍だそうです。厚生省の資料によると、より強い免疫反応が起こって多めの抗体ができるため、入院率がかなり下がるそうです。特に高齢者では症状の重篤度の改善や、接種費用と入院費用を比べての経済的な面でも良い効果が期待できるようです。
症状の予防、感染防止効果に関しては記載がないので不明ですが、おそらく抗体が増えると言っても感染ゼロにはならないはずです。抗体の量は数割高めがせいぜいで、4倍にまで上がるほどの著しい効果はありません。
濃度が上がっても、副作用は意外と増えていないようです。それが本当なら、従来品の濃度にこだわる必要はないでしょう。今後は全ての製品が高濃度に置き換わる可能性もあります。
報道によると本年10月以降、75歳以上の方限定で接種に公費の補助が出るようです。
食品保存料の発癌性
食中毒を防ぐため、食品には様々な物質が添加されています。安全性を考慮して一定の基準が設けられていますが、通商交渉で圧力を受け、変更されることもあるようです。
以前から懸念されていた食品保存料の発癌性に関して、フランスの統計が発表されました(BMJ 2026;392:e084917)。10万人規模で食事内容を調査し、癌発症の具合を調査しています。
ソルビン酸、亜硫酸塩、メタ重硫酸化合物など、様々な添加剤が摂取量に応じて癌の発生率を高めており、統計学的な危険度でいうと、リスクを1.1~1.2程度高めていました。癌の発生率が倍に上がるといった極端な差ではないとは言え、違いは統計的に明らかです。
ただし、日本とフランスでは添加物の基準が異なります。食習慣も違うので、食べる内容も異なるはずで、過剰に心配すべきではありません。心配しすぎると、食べるものがなくなります。
食中毒は怖いですが、添加剤も油断できません。とは言え、我々にできることは限られています。添加剤の規制は、輸出国や製造業者の意見に左右されて、安全性を犠牲にする方向に傾きやすいという構造的な問題があります。
成分表示に注意して、可能な限り添加物が少なめの物を選ぶ、加工の少ない自然食品に近い物を選ぶなど、意識を変えていくことは必要と考えますが、そもそもラベルに細かく表示させないといった抜け道もあるようです。
令和8年1月31日 up

